単身赴任の準備とお金
夫の単身赴任の生活費はいくら?内訳と会社負担、夫に渡す額の決め方家計から出る額の出し方と夫婦の分け方

先に結論
増えるのは夫の赴任先の生活費と帰省費です。会社負担と手当の手取りを引いた残りが家計から出ます。
- 単身赴任で増えるのは、夫の赴任先の生活費と帰省費です
- 家計から出る額は、会社負担と手当の手取りを引いた残りです
- 夫に渡す額は、よその家の相場より、費目を書き出して足すほうが決めやすくなります
夫の単身赴任が決まると、引越しの段取りと並んで「毎月いくら増えるのか」「夫にいくら渡せばいいのか」が気になってきます。わが家の額を大きく動かすのは、会社の負担の範囲と住まいの形です。夫の食事の形や帰省の回数でも変わります。
単身赴任の生活費は条件しだいで額の幅が広いため、よその家の平均額より、わが家の額を出す手順を優先して、2026年10月時点の情報で整理しました。
夫の単身赴任の生活費はいくら?二重生活で上乗せされるのは赴任先の生活費と帰省費
この章の答え
上乗せになるのは、本宅の家賃やローン、子どもの費用が、夫の単身赴任後もそのまま続くからです。夫1人分の暮らしの費用が、もう1つの家計として丸ごと増える形です。
よその家の「月いくら」は、住まいが社宅か自分で借りるかでまず変わります。赴任先の地域の家賃や、外食中心か自炊か、帰省の距離でも差が出るものです。先に費目ごとの出どころを押さえるほうが、わが家の額に早くたどり着けるでしょう。
| 費目 | かかる時期 |
|---|---|
| 赴任先の家賃 | 毎月 |
| 光熱費・水道代 | 毎月 |
| 通信費(スマホ・ネット) | 毎月 |
| 夫の食費・日用品 | 毎月。外食の回数でぶれる |
| 帰省の交通費 | 帰るたび。帰省中の外食やガソリン代も含む |
| 引越し・家具家電・台所道具 | 赴任の前後だけ |
| 敷金・礼金などの住まいの初期費用 | 赴任の前後だけ |
帰省費は、夫の生活費と分けて別の行で見積もるのがおすすめです。帰省1回分の往復の交通費に、帰った週末の外食や高速代も足して書いておきます。
赤字の原因を探すとき、この行が独立していれば見落としません。
単身赴任が決まった日に夫婦で確かめておきたいことは、単身赴任が決まった日に妻が確かめることに並べました。
家計から出る額の決まり方|会社負担・手当・家計の3つに分ける
この章の答え

引き算の形になるのは、単身赴任の費用の一部を、会社が規程で引き受けているからです。規程は、手当や社宅の扱いを会社が書き出した社内の決まりです。就業規則や給与規程などにまとめられています。
どこまで持つかは会社ごとに違います。
会社負担になりやすい費用と、夫の会社で確かめること
単身赴任で会社が持つことが多いのは、住まいと移動の費用です。社宅や寮、家賃補助、赴任のときの引越し費用、規程で決めた回数分の帰省旅費があたります。
夫には「単身赴任の規程を見せて」と頼むか、次の項目を人事に聞いてもらうと話が早いでしょう。
- 赴任先の家賃を会社がどこまで持つか。給与から天引きされる分はあるか
- 光熱費は会社持ちか、夫が払うか
- 引越しと家具家電の費用を会社が出すか
- 帰省旅費は月か年に何回分出るか
- 会社が直接払うのか、夫が立て替えてあとで精算するのか。精算はいつか
家賃補助や帰省旅費があとで精算される会社だと、単身赴任の1か月目は家計から立て替えが出ます。取り分ける額は、チェックリストで「夫が立て替える」と分かった費目を足した額です。精算の時期も聞いておけば、いつ貯金に戻るかが分かります。
手当は手取りで見て、上乗せされる費用から差し引く
単身赴任手当は、給与の一部として課税されます。引き算に使うのは、手取りで増えた分です。比べるのは、手当が入る前の月と入った月の給与明細です。差引支給額(口座に振り込まれる手取りの額)の差が、手取りで増えた額にあたります。
手当が増えると、健康保険と厚生年金の保険料も上がることがあります。額面どおりに手取りが増えるとは限らないので、明細の手取りで比べるのが確実でしょう。
住民税は前の年の所得で決まります。手当の分は、翌年度から天引きの額に加わる仕組みです。1年目に決めた額は、翌年度の住民税が決まったときに一度見直すのがおすすめです。上がる額は、夫の会社の給与担当か市区町村の窓口で確かめられます。
会社が出す単身赴任の帰省旅費も、税金がかかる場合があります。国税庁が非課税(税金がかからない)として示しているのは、会議などの出張のついでに自宅へ帰るときの旅費です。出張と関係なく回数を決めて出る帰省旅費は、給与と同じ扱いで課税されます。
出典:国税庁「単身赴任者が会議等に併せて帰宅する場合に支給される旅費」(2026年10月確認)
夫の帰省旅費がどちらにあたるかは、会社の給与担当に聞くのが早道です。手当の決まり方と課税の仕組みは、単身赴任手当の相場と課税、二重生活の出費がどこまで埋まるかにまとめました。
住まいと食事の形で変わる、家計の持ち出し(条件別の費目)
この章の答え
住まいで差が出るのは、家賃が毎月の費目の中でも額が大きく、会社の扱いが家ごとに分かれるからです。食事は夫が毎日選ぶ費目なので、月ごとのぶれも大きいのが特徴です。
社宅・寮、家賃補助あり、自分で借りる場合の例
住まいの形ごとに、家計から出る主な費目を並べました。夫の会社の答えが返ってきたら、わが家がどの行にあたるかを見てください。
| 住まいの形 | 家計から出る主な費目 |
|---|---|
| 社宅・寮 | 天引きされる家賃の自己負担、夫の食費・日用品、規程を超える帰省費 |
| 家賃補助あり | 家賃と補助の差額、光熱費・通信費、夫の食費・日用品、帰省費の一部 |
| 自分で借りる | 家賃と初期費用、光熱費・通信費、夫の食費・日用品、帰省費 |
社宅の家と自分で借りる家では、同じ額を夫に渡しても、そこから払う物は別物です。よその家の「月いくら」と比べる前に、わが家が表のどの行にあたるかを決めます。
夫の食費は食事の形で変わる(外食・自炊・作り置きを送る・宅食)
食費の読みやすさは、夫の食べ方しだいです。
| 食事の形 | 食費の読みやすさと手間 |
|---|---|
| 外食・コンビニ中心 | 手間は少ない。回数と店で月ごとの額がぶれやすい |
| 夫の自炊 | 食材費で読める。夫が料理をするかと、台所道具しだい |
| 手作りおかずを冷凍で送る | 食材費と送料で読める。作る・詰める・送る手間は妻の側にかかる |
| 夫の住所に届く宅食 | 1食ごとの料金で読める。届け先を夫の住所にできるかを公式サイトで確かめる |
宅食は、調理済みのおかずを宅配で届けるサービスです。料金や届く頻度は、サービスごとに違います。1食あたりの料金は、公式サイトで確かめるのが確実です。
単身赴任中に外食の日が多い家ほど、食費は月ごとにぶれます。外食が多い家なら、平日の夜の分だけを送ったおかずや宅食に置き換えるのがいいでしょう。1食ごとの額で見込めるようになります。安くなるかどうかは、今の外食の額と1食あたりの料金を並べて決めます。
食事の形の比べ方は、夫の単身赴任中の食事を4つの選び方から決める方法で整理しました。手作りを送る家は、冷凍便で送るおかずの量と容器の決め方も役に立ちます。
夫にいくら渡す?生活費の分け方を夫婦で決める手順
この章の答え

額から決めると話がこじれやすいのは、その額に何が入っているかが夫婦で食い違ったままになるからです。光熱費1つでも、要る額は変わります。渡した額から払うのか、本宅の口座から引き落とすのかで違うからです。
渡す額は額から決めず、費目を書き出して足す
夫と話す前に、次の順で表を作っておくと、同じ数字を見ながら話せます。
会社負担の費目を外す
社宅の家賃や規程の帰省旅費など、会社が持つ分を先に消します。本宅の口座から直接払う費目を外す
夫のスマホ代や保険料を本宅の口座から引き落としているなら、渡す額には入れません。残った費目を1行ずつ書き出す
光熱費と食費、日用品、帰省費を並べましょう。最初の月は夫の見込みで決め、レシートや家計簿アプリで実際に使った額を残してもらいます。小遣いを別の行にする
飲み会や趣味の分は食費と混ぜず、小遣いの行で決めておきます。見直す日を決める
単身赴任して3か月は、毎月の給料日に実際に使った額と見比べるのがおすすめです。
夫の見込みが多いか少ないかは、最初の数か月の実際の額を見れば判断できるでしょう。条件のそろった目安がほしいときは、同じ会社で単身赴任をしている人の話を夫に聞いてもらうのが近道です。
夫に「足りない」と言われたときも、同じ表を開きます。足りるかどうかは、合計額ではなく行ごとに確かめるのがコツです。
食費の行なら食事の形、帰省費の行なら回数が話の材料になります。すぐには変えられなくても、どの行が足りないかが分かれば、額を足すか次の見直し日まで様子を見るかを選べます。
口座の分け方は2つの型(共働きの場合も)
表の合計が決まったら、次はどの口座から払うかです。迷うなら、これまで家計を管理してきた人の口座を中心にするのがいいでしょう。
共働きの家や、夫婦それぞれが少しずつ管理してきた家は、共通の費用と各自の費用を分ける形が合います。本宅の住居費や子どもの費用は2人の収入から出し、赴任先の費用は夫の口座から払います。
財布が別の家で気をつけたいのは、本宅の費用がどちらかに偏ることです。偏りに気づいたら、同じ表で本宅の費用を1行ずつ見て、どの行をどちらの口座から払うかを決め直しましょう。
二重生活で赤字になる原因と、抑えられる費用
この章の答え

食費と帰省費が膨らみやすいのは、どちらも月ごとに回数が変わり、夫に渡した額とは別のところから出ていくことが多いからです。帰省のガソリン代を本宅のカードで払っていると、夫に渡す額だけ見ても気づけません。
赤字の原因になりやすいのは夫の食費と帰省費
食費は、外食とコンビニの日を減らすのが近道です。平日の夜の分だけでも置き換えると、月ごとのぶれが小さくなります。
帰省費は、1年で何回帰るかを夫婦で先に決めておくと安心です。
- 会社が出す帰省旅費の回数に合わせて、帰省の回数を決める
- 新幹線や飛行機は早めに予約し、早割を使えるか調べる
- 車で帰る家は、ガソリン代と高速代を帰省費の行に入れる
- 帰省した週末の外食も、帰省費の行で数える
正直、帰る回数の話は切り出しにくいものです。「会社が出す回数の分はこれまでどおり帰ってきてほしい。それより多い分を家計から何回出すか、一緒に決めたい」のように、減らす話ではなく家計から出す回数を決める話として持ちかけると角が立ちにくくなります。
帰省費の行を2人で見ながら話すと、夫も自分の出費として考えやすくなります。
本宅の生活費も一緒に見直す
夫が単身赴任したあと、本宅で減るのは夫の分の食費です。その一方で、ワンオペで増える出費が出てきます。惣菜で済ませる夕食や、家事代行、ベビーシッターの費用です。
減った分と増えた分は、同じ表に並べます。差し引きが一目で分かります。
夕食づくりの負担の減らし方は、夫の単身赴任でワンオペがきつい時の夕食と急病の備えにまとめました。
よくある質問
夫に渡す生活費に、小遣いは含めますか?
含めるかどうかは夫婦で決めてよいことです。食費と小遣いを別の行に分けて額を決めておくと、足りないときにどちらを足すかを話し合いやすくなります。飲み会や趣味の費用を小遣いの行に入れると、食費の行もぶれにくくなります。
夫に「生活費が足りない」と言われたら、どうすればいいですか?
合計額を足す前に、どの費目が足りないかを夫に書き出してもらいます。食費なら食事の形を、帰省費なら回数を見直す方法があります。光熱費のように季節で上がる費目は、その月だけ予備から出すと決めておくと落ち着いて話せます。
帰省は月に何回までにすればいいですか?
回数に決まりはなく、会社が出す帰省旅費の回数と交通手段で、家計から出る額が変わります。規程の回数分は会社持ちとして、それを超える分を家計から何回まで出すかを、帰省費の行を見ながら夫婦で決めておくと安心です。同じ会社で単身赴任をしている人が何回帰っているかを夫に聞いてもらうと、話の目安になります。
単身赴任手当だけで、夫の赴任先の生活費をまかなえますか?
夫の会社の手当の額と、会社が持つ費用しだいです。手当は課税されるので、手取りで増えた額と、会社が持たない費目の合計を比べると、足りるかどうかが分かります。
単身赴任の生活費は、平均で月いくらくらいですか?
住まいが会社持ちか、赴任先の家賃、夫の食事の形、帰省の回数で額の幅が大きいため、この記事では平均額を載せていません。条件のそろった目安がほしいときは、同じ会社で単身赴任をしている人に、規程の中で月にどのくらいかかっているかを夫から聞いてもらうのが確かです。
1年目に決めた額は、翌年もそのままでいいですか?
翌年度は、手当の分だけ住民税の天引きが増えるので、手取りが変わります。翌年度の住民税が決まったら、手当の行を新しい手取りで書き直し、夫に渡す額や家計の持ち出しを見直します。いくら増えるかは、夫の会社の給与担当か市区町村の窓口で確かめられます。
まとめ
- 単身赴任で増えるのは、夫の赴任先の生活費と帰省費です
- 家計から出る額は、会社負担と手当の手取りを引いた残りです
- 夫に渡す額は、費目を書き出して足すと決めやすくなります
わが家の額は、次の表を埋めると出せます。
| 費目 | 書き込むこと |
|---|---|
| 赴任先の家賃・光熱費・通信費 | 月の額と、会社が持つ分 |
| 夫の食費・日用品 | 食事の形と、月の見込み |
| 帰省費 | 1年の回数と、会社が出す分 |
| 手当 | 手取りで増えた額 |
| 本宅で増えた・減った費用 | ワンオペで増えた分と、夫の分で減った分 |
会社が持たない分を足して手当の手取りを引き、本宅の増減を加えた額が、毎月の持ち出しです。
赴任前の家は、1週間以内に会社負担のチェックリストを夫に送ってください。単身赴任が始まった家なら、最初の給料日に明細と通帳を並べて表を埋めるところからでしょう。赤字が続いている家は食費と帰省費の行から見直し、翌年度の住民税が決まった月にも表を開き直すと安心です。
出典
- 国税庁「単身赴任者が会議等に併せて帰宅する場合に支給される旅費(質疑応答事例)」(2026.10.15確認)
更新履歴
- 2026.10.15 公開